黄八丈が誕生した八丈島
東京から南へ287kmの太平洋上にある八丈島は、黒潮の影響で一年中温かく南国情緒あふれる“常春の島”。
「黄八丈」の故郷でもあるこの島の名は、八丈(約24m)の絹織物「八丈絹」から付けられたとも言われています。黄色、樺色、黒色の三色を基調とする「黄八丈」ですが、黄色が主であった時代に、八丈絹から黄八丈へと呼び名が変わっていったと考えられています。
着物を愛し、着続けた方が最後に選び取る、着物の終着点ともいわれる黄八丈。その魅力は、八丈島で自生あるいは栽培される草木のみを使って染色され、手織りで仕上げられる製造工程から生まれます。着るほどに肌になじみ、三代着ても色あせないといわれるほど強く渋みのある色合いは、永遠に人々の心を引き付けます。